疲れ目お悩み研究室

眼精疲労・ドライアイ・老眼など、目に関する悩みを解決していきます

【眼精疲労で退職】労災?甘え?人生を左右する選択とやるべき事

つらい眼精疲労やドライアイ…その辛さは、なってみて初めて分かるものですよね。仕事ははかどらないし、無理をして視力も低下する一方…日常生活もままなりません。

「いっその事辞めて療養したい!でも、生活費が…それに、眼精疲労で仕事を辞めるなんて、社会人として甘えじゃないの…?」

そんな時、どういう選択肢があって、どういう行動をとるべきか。ちょっと考えてみましょう。

ファンケルのえんきん

はじめに

今回の記事は、会社勤めでパソコンなどVDT機器を使った視作業が多く、眼精疲労やドライアイでマトモに仕事ができない状態で悩んでいる方に向けて作成したものです。

他のケースでは、必ずしも当てはまらない場合もあると思いますが、それぞれのケースにとっても、この記事が眼精疲労のせいでお仕事に支障をきたしている方のお悩み解決のために、少しでもお役に立ちましたら幸いです。

はじめに申し上げておきますと、私管理人は法律の専門家ではございません…以前、酷い眼精疲労で退職を余儀なくされた自らの経験と、調べた知識を元にしておりますので、より詳細を求められる方は各機関や法律の専門家への相談をおすすめいたします。

そして、そこまで深刻な事態になる前に、なんとかしたい方はまずこちらの記事からどうぞ↓

眼精疲労で仕事がつらい…3つの選択肢と、その前に

さて、あなたの眼精疲労やドライアイが職場環境が原因であると考えるならば、あなたが会社に対して起こす行動の選択肢は、次の3つが考えられます。

1.会社に労働環境や条件の改善をしてもらう

2.休職する

3.辞める

本来なら、療養に専念したければ『休む』か『辞める』という選択肢は真っ先に思いつくところですよね。

しかし「会社に迷惑がかかるんじゃないか…?」「いやいや、生活費が…」と、責任とお金の問題があるから働いているわけで…

なので、次の項目ではこのお金と責任の問題も踏まえた上で、これらの選択肢を取ることができるのかを検証しつつ、円満に解決することを目指し、やるべきことを考えていきたいと思います。

病院の診察は受けておくこと

これから先、どういう方法を選択するにしても、自分の体の現状をきちんと把握し、会社や各機関にもわかるような形で提示できる状態にしておくことが大切です。

医師の診断書は必ずしも必要になるケースばかりではありませんが、必要に応じて用意出来るような状態にしておきましょう。

まずは上司に(軽く)話してみる

何はともあれ、まずはここからです。いきなり医師の診断書を突きつけて自分本位で話を推し進めようとしても、きっと上手くは行きません…

事前に「自分は現在眼精疲労で、なかなか仕事が思うように出来なくて困っている」ということを、なんとなく上司の耳に入れて知っておいてもらうことが大切です。

ここでポイントなのが、あくまでも“軽く”話しておくということ。最初からあまり深刻に相談となると、会社側も降って沸いた話に戸惑ってしまうでしょう。

まずは軽く話しておくことで、案外あっけなく何か対策を講じてくれるかもしれませんし、その後にしっかり相談する時に、受け入れてもらいやすくなるはずです。

会社に労働環境の改善をしてもらえないか相談する

さて、ここからは会社にガチで相談になります。と言っても、いきなり社長室や人事部に話を持ちかけるのでなく、相手は同じく直属の上司です。

職場環境での眼精疲労というと、その原因はVDT作業によるものが大半かと思います。このVDT作業においては、厚生労働省が『VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン』というものを制定しており、作業時間や休憩時間、照明や椅子などの作業環境、それらを考慮して健康診断なども含め、事業主側が適切な安全管理を実施する必要があると定められています。

でも、一日中パソコンの画面から離れられないというお仕事をされている方も多いことと思います。「このガイドラインに沿った労働環境なんて、業務が成り立たない!」という雇用側の内情も覗い知れます。

労働環境の改善が不可能だと言うなら、他の選択肢を考えましょう。

休職する

「休んだら生活が…でも、こんな状態じゃ働けないし、働ける状態になる為にはしっかり療養したい」という方のために、病気療養や休業時の手当が支給される制度があります。これらを活用できたらいいですよね。

労災と傷病手当

会社勤めをしていての病気で支給されるお金というと、傷病手当労災が思い浮かびます。これらの手当を支給してもらって休むことはできるのか?探ってみたいと思います。

健康保険の傷病手当金

 
傷病手当とは、健康保険に加入している者が、業務外の病気や怪我で長期に渡り仕事を休むことになった場合に支給されるものです。

傷病手当が対応できるのは業務外での傷病でのことですので、今回のテーマである『仕事が原因で眼精疲労になったら?』という例からすると、傷病手当ではなく労災としての請求の方が当てはまると思います。

まさか、仕事以外で「ゲームやネットサーフィンに没頭するあまり眼精疲労になりました(てへぺろ)」なんて理由で申請しますか?できるかもしれませんが…

どちらにせよ、眼精疲労により働ける状態ではないという医師の判断が必要になりますので、難しいかとは思います。

傷病手当金は、原則健康保険の加入者で、休んでいる間の賃金が支払われていないことが条件になりますので、残念ながら個人事業主などが加入している国民健康保険は対象外です。

    • 他にも支給できる条件など細かく定めがありますので、もっと詳しく知りたい方は、全国健康保険協会のHPをを御覧ください


 

労災保険

 
労災保険とは『労働者災害補償保険』の略で、仕事中や通勤中に怪我をしたり、業務内容が原因で病気になったりした時に、国から支給される保険のことです。

労災保険は、会社が全額負担で国に収めているもので、法律では従業員が一人でもいれば支払わなければならない事になっています。「うちの会社、そんなの払っていないんじゃないか?」と心配になったとしても、労災請求が認められれば、国は事業主に対して、過去にさかのぼって未払い分の保険料を請求する事になっていますので、ご安心を。

眼精疲労で労災は認められるのか?

労災として認定するかどうかは労働基準監督署(労基署)の判断に委ねられます。

労災として認められるには、『業務起因性』と『業務遂行性』を満たしていることが必要で、わかりやすくいうと、原因がその業務内容にあるとの因果関係が証明され、会社の管理の下でその業務に従事していたかが問われることになります。

職場でのVDT作業が原因で眼精疲労になり、労災として認められるかどうかは、やはり、先程もお話した『VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン』に抵触しているかどうかが問われることになるかと思います。しかし、このガイドラインというものは法律や条例と異なり、それ自体には法的効力が無いんですね…

ですので、ガイドラインに抵触しているとしても「すぐに違反として労災が認められるのか?」というと、難しいところです。

ですが、そもそもガイドラインは法に準拠して作られているものなので、ガイドラインに違反するということは、広い意味で法の趣旨に反していると解釈されることが多いようです。

労災が認められると何が補償される?

労災が認められると『療養(補償)給付、休業(補償)給付、障害(補償)給付、葬儀費用、遺族(補償)給付』など様々な給付金が支給されるようになっていますが、眼精疲労での給付の可能性のあるものは療養費と休業時の給料でしょうか。

また、補償を受けられるといっても、その全てが補償されるわけではありません。補償額は給付基礎日額と、算出基礎日額などに基づいて算出されるので、被災労働者のお金を稼ぐ能力が影響してくる上、限度額も決められています。

■療養(補償)給付

病院の診察費用、薬代、処置費用、入院費用など、治療のために必要な費用が支給されます。労災指定病院での治療が原則ですが、指定の医療機関が遠くて通えないなどの理由があれば、指定病院以外での治療も可能です。ただし、治療にかかった費用をいったん被保険者が立替え、後に国に対して請求するという形になります。

■休業(補償)給付

労災での休業補償は、業務上の疾病により出勤が困難である場合に、給付基礎日額の80%が給付されます。給付には4日以上の休業が条件となっており、4日未満の休業時の手当は会社が保障しなければなりません。まぁ、その程度であれば大体有給消化に充てられちゃうのが現実のようですが…

給付基礎日額はボーナスや特別手当などは含まれない基礎給与での算出額になり、その上さらに8割しか支給されないわけですから、給付されるとしても、人によっては収入が大幅に下がってしまう事もあります。

■傷病(補償)年金・傷病特別年金

症状が相当に重く、1年6ヶ月経っても治らない場合は、傷病(補償)年金傷病特別年金の給付が受けられます。

ただし、この給付が受けられる基準として、疾患に1~3級の等級が設けられており、この等級により給付される額が変わってきます。

この『相当に重い』というものがどれ位かというと、眼精疲労に関係してきそうなものとしては以下のようなものになります

障害の状態

■1級
・両眼の失明
・常に介護を要する程の著しい精神や神経の障害
■2級
・両眼共に視力が0.02以下
・随時介護を要する程の著しい精神や神経の障害
■3級
・片眼が失明し、もう片眼の視力も0.06以下
・常に労務に服することが出来ない程の著しい精神や神経の障害

こちらの二つの給付金の他に、傷病特別支給金というものもありますが、上記の等級に該当する条件を満たすほどの症状が眼精疲労やドライアイで引き起こされるかというとなかなか難しいものがあります。ただし、眼精疲労に発して自律神経失調症や鬱にまでなってしまった場合には適応されるかもしれない手当の種類として、一応書き記しておきます。

労災申請の流れ

申請は、基本的に労働者が労働基準監督署(労基署)に対して行います。

ざっくりとになりますが、申請の流れを説明しますね。

1.労災の請求書を記入する

請求書を労基署からもらい、それに必要事項を記入します。
請求書は労基署のホームページからダウンロードすることもできます。

2.必要書類を労基署に提出する

請求書と共に、必要となる書類を労基署に提出します。必要書類としては、医師の診断書などですが、出勤簿賃金台帳住民票など、労基署が労災認定を判断したり、給付金の算出に必要となる資料類などです。

必要書類は労基署に相談すれば教えてもらえますが、労働環境と疾病の因果関係を証明するための証拠となるものは、積極的に提出できるように準備しておきましょう。

3.労基署による調査

書類を提出して申請が受理されると、労基署は担当官を決めて調査をします。

調査にかかる期間は事案や労基署の内情によりまちまちのようですが、早くて1ヶ月位かかるようです。場合によっては、半年~1年以上かかることもあるようです。

4.調査終了

めでたく労災認定→給付金支給へ
×残念ながら業務以外の原因であると判断→不満があれば審査再請求

以上が要約した簡単な手続きの流れになります。

ご覧いただいた通り、かなり面倒くさい上に複雑です。その上、統計による近年の労災と認定される割合は、脳や心臓等の疾患で4割~5割、精神疾患においては、3割~4割程度となっています。ここまで書いておいてなんですが、眼精疲労による認定を得られるかは非常に難しいと言わざるを得ません…

なお、実際に眼精疲労が労災認定された事例はあるのか?というところですが…あります!
1998年に大阪の労基署が労災認定し、給付金が支給された事例があります。

ただし、この事例をもとに認められやすくなったかというと、正直なところ、いまだハードルは高いと思います。

ですが、仕事が原因で働けなくなる程の辛い思いをしているなら、できるだけ労基署が判断しやすくなるような証拠を取り揃えるように努め、法律の専門家のサポート受けた上で請求してみてはいかがでしょうか?

    • 弁護士によっても得意分野が変わってきますので、労働事件に精通した弁護士のいる法律事務所に相談することが重要です。でるだけ早い段階で相談すれば、労基署に提出する証拠の種類や集め方なども含めてサポートしてくれますよ

退職する

眼精疲労を理由に退職できるのか?

眼精疲労だろうがなんだろうが、体調不良で退職届に書く理由は『一身上の都合』以外ありません。

会社がいくら引き止めたくても、やめようと思えば本人の意思次第です。退職の意志が使用者に伝わってから2週間経てば、原則として労働契約は終了となります。

しかし、契約書などの就業規則において、退職までの予告期間が定められている場合は、できるだけ従うようにし、特に定められていない場合でも、一ヶ月前に退職の予告をするのはマナーです。

ただし、特段必要性もなく長期間の予告期間を定めている契約もありますが、この場合においても、労働基準法における2週間の予告期間での退職が「いかなる理由があっても」という強い表記で記されていることから、契約より雇用者の意志が優先されるようです。

また、期間を定めた契約の場合には契約期間満了前の退職希望が契約違反に問われるケースも有り、この場合は予告期間が変わってくるなど、前述した原則が例外となるケースもあるので、トラブルになりそうなら法律の専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

    • 会社側に違法性が無いのなら、一方的に権利を主張するだけではなく、後任人事や業務の引き継ぎなど会社の事情も考えて、できるだけ円満な退職となるよう努力するようにしましょうね。

眼精疲労に関連する疾病が理由になることも

眼精疲労は酷くなると様々な疾患を併発することがあります。中でも、眼精疲労と自律神経は密接に関係しており、眼精疲労から自律神経失調症を併発する(あるいは同時多発的に起こっている)ケースもよくあることで、もし自律神経失調症になっていたら、退職や休職も相談しやすいかと思います。※自律神経と眼精疲労の関係性についてはこちらの記事で詳しく解説しています→【目の疲れは自律神経の乱れから】眼精疲労と自律神経失調症の関係

さらに、自律神経失調症(身体の機能の疾患)から(精神の疾患)に発展するケースもあり、実際にそこまで病気が進展してしまっている場合は、日常生活すらままならない状態にあるかと思いますので、退職しての療養よりほかは無いですよね…

とはいえ、辞めるために事実と異なる事情を申告するのははダメだと思いますけど…

    • 日頃から、上司とは何でも気軽に相談できるような関係を築いておく事が大切ですね。

退職 ~雇用保険の失業給付金制度~

収入が無くなるわけですが、雇用保険に一定期間加入していれば所定の手続きにより失業給付金の受給を受けられる制度があります。

ただし、あくまで次の職業を探す意志があり、その期間の最低限の生活を賄うべく支給されるものです。離職理由が自己都合の場合は『一般受給資格者』となり、会社都合での退職による『特定受給資格者』に比べると、受給が開始されるまでの給付制限期間が3ヶ月あるなど、条件が厳しくなります。

ただし、一般の受給資格者でも、正当な理由のある自己都合による退職という『特定理由離職者』となり、給付制限期間が免除されるケースもあります。病気事由による退職の場合がこれに該当するのですが、これには、きちんと『仕事の継続が難しい』という旨の医師の診断書を会社に提出して離職していることが前提となり、病気が理由であることが離職票に書かれていることが必要(会社記入)で、その証明を申請時にハローワークに提出しなければならないなどの、幾つかの条件があります。

再就職にあたって

体調不良が理由での退職は再就職に不利になるのか?

さて、退職したのち、再就職先を探すにあたってハローワークにお世話になることと思います。

その際、再就職先から前職の離職理由を問われることがあるかと思いますが、きちんと正当な理由を説明できるようにしたほうが良いでしょう。

再就職先でも、経歴詐称のチェックや、前職の労働条件などを探ったり、また雇用保険関係の手続きなどの理由で離職票の提出を求められることがまれにあるようです。

そんな時、不利になることをおそれるあまり嘘をついていたら、余計に採用担当者の印象を悪くしてしまいます。

離職理由を聞かれたら、前職の職務内容が自分に合わなかった事により体調不良でやむを得ず退職したということは話すより他にありません。ただし、あまりネガティブな印象に取られないよう、自分のスキルを発揮できる仕事にしたいなど、前向きな理由を印象づけるようにすることが大切です。

再就職するなら?

前職を眼精疲労で退職するなら、もう同じ職種には就かない方が良いでしょう…
でないと、結局同じことの繰り返しになるだけですし、再就職希望先の採用担当者もそれを不安に不採用とすると思います。

いっそできるだけ眼に負担のかからない職業にも注目してみてはどうでしょうか?

林業、農業、山岳ガイド、漁師、などなど…世の中、オフィスにこもってパソコンと向き合っていなきゃならない仕事ばかりではありません。

    • 案外、いままで考えもしなかった職種による新しい自分のライフスタイルにこそ、幸せに生きる方法が見つかるかもしれませんよ…?

まとめ

労災について詳しく知りたい、または実際に申請を検討している方は所轄の労働基準監督署へ相談してみてください。

手続きに必要な段取りや書類の用意に関してなど、申請に不安がある方は社会保険労務士(社労士)や、司法書士への相談を。また、話がこじれそうだったり、法的手続きが必要になりそうでしたら弁護士事務所に相談してみてください。

ですが、ここまで書いていてなんですが、休職や退職の行動を起こすより前にまだやれることはあると思います

生活習慣を改善するとか、足りていなかった栄養素をサプリから補うとか、それだけで悩みが解消したなら、そもそも転職する必要も無くなるかもしれません。

※ファンケルのサプリ「えんきん」を試してみました

自分でできる事を精一杯やりきって、それでもどうにもならない場合にはじめてこれらの選択肢があります。厳しいことを言ってしまえば、やるべきこともやらずに権利だけ主張するような人は、転職しても同じことを繰り返すだけだと思うのです。

眼精疲労を克服し、目の疲れや痛みに対するストレスから解放されるだけで、世界は全く違った明るいものに変わってきます。わたしも同じく眼精疲労に苦労し、あれこれ試行錯誤して乗り越えてきた経験から、眼精疲労が人生を左右するという事は大げさでないと実感しています。

どうか、あなたが眼精疲労を乗り越えて、ハッピーな生活を取り戻すことに、私の書いた記事が少しでもお役に立てたなら嬉しいです。

ファンケルのえんきん