【薬に頼らない眼精疲労の治し方】自分でもできるお手軽疲れ目解消法!
眼精疲労とは
目の疲れが慢性化し、時には全身に及ぶ症状を伴うことがある。一日や二日寝た程度では回復しなくなっている重篤な状態のことで、単なる目の疲れである「眼疲労」とは異なる。
はじめに
眼精疲労になると、何もする気が起こらなくなるほど辛いですよね…
なのに、職場の上司から「眼精疲労って…たかが目の疲れ程度で甘えてるんじゃないよ」って、言われたこと無いですか? 私はあります(笑)
なんだか、世間一般には眼精疲労に対する認識ってその程度なのかなというようにも感じていますが、ちょっと待って!眼精疲労はたんなる疲れ目とは違うんです!!
そんなふうに周りから責め立てられて自律神経を乱し、軽い鬱まで経験した私が、一体どのようにしてこの苦しい眼精疲労から解放され、明るい毎日を取り戻せたのか?
ここでは、「眼精疲労はつらいけど、できれば薬に頼らず自力で治したい」と思っているそんな方のために、自分でお手軽にできる疲れ目解消法について解説していきたいと思います。
まずは眼精疲労のメカニズム知ろう ~症状と原因~
眼精疲労はいったいどんな症状がでる?
眼精疲労とは、一体どんな状態を言うのでしょうか?
眼精疲労には様々な症状がありますが、たとえば、こんな症状が出てきたらあなたは眼精疲労かもしれません…
1.目の不快感
・目が疲れやすい
・目がゴロゴロする
・目がショボショボする
・目の奥が重い(痛い)
・目が乾く
・目が充血する
2.見え方に関する症状
・視界がぼやける
・目がかすむ
・ピントが合いづらい
・眩しさを感じやすい
3.目以外に現れる症状
・首や肩がこる
・頭痛がする
・めまいや吐き気
・食欲不振
・体がダルい
・不眠
・うつ
目だけでなく、時には全身に及ぶ症状が出て、慢性化してなかなか回復しなくなってしまっているのが眼精疲労の特徴です。
眼精疲労の原因とは?
眼精疲労になるメカニズムについて、詳しくは別記事にて解説しているのでここではあえて簡潔に言います!
それは、「目を動かす筋肉に疲労が溜まってしまうこと」つまり、目の筋肉のコリが原因です。
※詳しくはこちらの記事へ
→【眼精疲労の原因とは?】眼精疲労が起こる8つの原因を解説
→ 眼精疲労はただの目の疲れではない!症状と起こるメカニズムを解説
眼精疲労のおもな原因は「目の筋肉のコリ」だった
■ 主に、2つの目の筋肉の疲労がポイント!
私たちの目は、カメラにとてもよく似た構造をしています。カメラでいうレンズ部にあたるのが水晶体です。目がピント調節を行う際に、水晶体はその厚みを『近くを見る時は厚く』、『遠くを見る時は薄くなる』ように変化させる事で屈折率を変化させ、ピント調節をしているんです。
この水晶体の厚みを変化させるために働いているのが、毛様体筋(もうようたいきん)という目の筋肉です。
そして、視点を合わせるために眼球を動かす筋肉が外眼筋です。外眼筋は、ピント調節をする際にも補助的な役割を担っています。
眼精疲労は、毛様体筋と外眼筋という、この2つの筋肉の疲労が慢性化することによって起こります。
目の疲れの原因としてよくあるのが、近くにあるものを集中して見続けるという行為です。パソコンやスマホなどを用いた作業では、誰にでも経験があるんじゃないでしょうか?
このように近くを見る時、毛様体筋はピント調節のために水晶体を厚くしようとして一生懸命突っ張っている状態になっているため、大きな負担がかかっています。そして、外眼筋は眼球を固定してフリーズしている状態のため、こちらもまた負担がかかってしまっているんですね。
ということは、この原因さえわかれば、あとは逆の行為をしてあげればいいだろうと思いませんか?
薬を使わないで眼精疲労を治すには?
目薬では眼精疲労は治らない
安易に頼りがちなのが目薬ですよね。でも、目は繊細な器官なので、有害なものが侵入しないように様々なバリアの機能を持っています。それに、涙で薄まった上、一緒に排出されてしまいます。なので、眼精疲労の原因になっている目の奥には、ほぼほぼ成分は到達できないんです…
なので、目の乾きや、あくまで一時的な疲れを緩和するにはいいのですが、眼精疲労の根本的解消法にはなりません。
では、眼精疲労を治すためにはどんな方法が効果的なんでしょうか?その方法を大まかにまとめてみると、解消法は次の3つになってきます。
1.目を休ませる
2.目の周りの血行を良くする
3.目に必要な栄養を摂る
【眼精疲労の治し方】その1.目を休ませる
シンプルに“目を閉じること”
なんといっても、この方法にはかないません。やはり目を使わないことが一番の疲れ目解消法になります。この休ませると言うのは、“いかに目にとって負担の少ないリラックスした状態に出来るか?”というのが重要です。
ですので、休憩だからといってスマホゲームをしたりSNSをしたりでは元も子もありません…
目を閉じることで一切の視覚情報を遮断し、完全に目の調節機能をオフにして、回復に専念させましょう。
いっそ、昼休みの時間を利用して15分位の短時間睡眠(昼寝)をしてしまうのもいいと思います。この昼寝には、疲れをとり頭をシャキッとさせる効果もあり、最近では進学校や大手企業などでも、午後の作業効率の向上のために取り入れるところが増えてきています。
遠くの景色をぼんやり眺める
なにも遠くの山々や、水平線を走る船を眺めるなんて環境は望めなくとも、窓の外の街路樹や町並みなど、少し遠くにある景色を見ることで毛様体筋をリラックスさせることが出来ます。
この時、視力の低い方は遠くの物に一生懸命ピントを合わせようとして一生懸命にはならないで下さい。これは視力向上のための訓練ではなく、あくまでも毛様体筋の緊張を緩める事が目的ですので、なんとなく遠くに視点を移してぼんやり全体を見るようにすればいいのです。
【眼精疲労の治し方】その2.目の血行を良くする
血液は、細胞に酸素や栄養を供給し、老廃物を回収する大切な役割を担っています。特に目は、表面から目薬を垂らしても眼精疲労の原因である目の奥まで成分は届きません。
目に必要な酸素や栄養分を行き渡らせるには、血液の流れを良くするしかありません。血行の促進にはいろいろな方法があります。
目を温める
目を温める事で、血流促進はもちろんのこと、目の疲れてきた時に緊張状態にある目の周りの筋肉をリラックスさせる効果が期待できます。
そして、ドライアイやものもらいの原因にもなるマイボーム腺の目詰りなどによる機能不全を解消したり緩和する効果も期待できますし、何と言ってもお手軽にできるのがいですよね。
ちなみに、逆に“冷やす”という方法は、基本的に一時的な痛みを抑えるのには良くても、根本的な解消法にはなりません。「冷やす→温める」を何度か交互に行うことで、より血液の流れを良くする効果はあります。
ただし、温めるという方法が逆効果になるケースもあるのでご注意を…
目が充血していて腫れぼったくなっているような時や、痛みが出ている時は炎症を起こしているので、このような状態では冷やすだけの方がいいこともあります。
※詳しく知りたい方はこちらの記事→【疲れた目は温めるor冷やす?】結局のところどっちがいいの?
●蒸しタオルを使う
よく言われる目の疲れの代表的な対処法が、この蒸しタオルを用いた方法です。
喫茶店なんかで出てきた温かいおしぼりを目の上に乗せると気持ちいですよね。そんな事を人前でやるのには、年頃の女子には抵抗があるかと思いますが、自宅なら誰の目も気にせずに、思う存分出来ると思います。
水に濡らして絞ったおしぼりを、電子レンジで40秒~60秒。そして、目の上に乗っけるだけです。あまり熱くなりすぎてやけどをしてしまわないように気をつけましょう。
蒸しタオルを作るのが面倒な場合は、使い捨てのホットアイマスクといった商品も出ていますので、お出かけ先でも手軽に使用することが出来ます。
●シャワーを目に当てる
シャワーを当てるという方法もあります。42℃位のちょっと熱めのお湯を目に当てるのです。目の周りの筋肉や神経がほぐれてくるのを感じることが出来ると思います。とても気持ちがいいですよ。
ちなみに、シャワーではなく湯船に浸かる場合には38℃~40℃位の少しぬる目のお湯に20~30分位浸かり、先ほどのホットタオルを目の上に乗せているといいです。
入浴の場合、あえてぬる目のお湯にすることで、交感神経の働きが鎮まり、副交感神経が作用するようになり、自然とリラックスすることができます。
※詳しく知りたい方はこちらの記事→【目の疲れは自律神経の乱れから】眼精疲労と自律神経失調症の関係
目のマッサージ(ツボ押し)
目の周りをやさしくマッサージしてあげることで緊張状態にある目の周りの筋肉のコリをほぐしてあげる事と、それと同時に目の周りのツボ押しをしてあげることで、血の巡りを良くしてあげる方法です。
目の周りには様々なツボがありますが、特に重要なのが「太陽、攅竹、魚腰、承泣、睛明」です。これらのツボを優しく押さえて刺激してあげましょう。
マッサージやツボ押しをする際のポイントは、眼球を直接押さえないようにする事と、力を入れ過ぎないことです。目は繊細な器官です。眼球を強く押してしまうと、網膜剥離など思わぬ目のトラブルの原因になることがあるので注意が必要です。
目のストレッチ(眼筋ストレッチ、眼球体操など)をする
身体全体の疲れやコリをほぐすのにストレッチが有効であるように、目の筋肉にもまたストレッチの方法があります。
このストレッチは、ちょっとした作業の合間にお手軽に出来ますので、是非ともこまめに試してみてほしい眼筋の疲労解消法です。
●まぶたのギュッパッ体操
瞼をギュッと強く閉じ、パッと開くを数回繰り返します。あえて力を入れ、緊張状態にある眼筋を急激に緩めることでリラックスさせて回復させます。
●目回し体操
凝り固まった外眼筋をほぐすためのストレッチです。
1.まず、“ゆっくりと眼球を上下に動かす”を2~3分やる
2.次に、“ゆっくりと眼球を左右に動かす”を、同じく2~3分
3.仕上げに、“ゆっくりと円を描くように眼球を回転させる”右回り左回り数回ずつ
●遠近ウォッチング
30cmの距離と3m位先の物に目標物を定め5~10秒ごとに交互に見る事で、一定の距離を見るためにフリーズしてしまっている毛様体筋を動かしほぐします。
【眼精疲労の治し方】その3.目に必要な栄養素を摂取する
栄養バランスの優れた食生活は、健康管理の基本ですよね。目の健康のためにも必要とされている栄養素があります。
視力やピント調節機能の維持、目の疲れを取るためには、体の中からしっかりと栄養を細胞に届けてあげることが大切です。
目にいい栄養素
■ビタミン類
・ビタミンA:目の粘膜や新陳代謝の維持
・ビタミンB群:目の疲労回復、充血を鎮める、視力維持
・ビタミンC:抗酸化作用により水晶体の透明度を保つ
・ビタミンE:抗酸化作用により活性酸素の除去、血液循環の促進
カロテノイド系色素。ビタミンEの約1000倍という超強力な抗酸化作用をもっているので、健康な細胞を破壊する活性酸素の除去に役立つ。血液網膜関門を通ることができるので、より目の奥まで届き、直接作用することができる数少ない成分です。
■ルテイン
これもカロテノイド系の色素です。強い抗酸化作用をもっていて、網膜や水晶体に分布している成分です。ルテインを摂ることは、黄斑変性症予防に役立ちます。
■ゼアキサンチン
ルテインが体内で変化して作られる成分です。目の老化や視力の低下を抑えるのに役立ちます
網膜の機能強化。抗酸化作用があり、特に暗い場所での視覚機能の向上や目の疲労回復に役立つ。
■セレン
ミネラル。抗酸化作用があり、目の周囲の血液循環に役立つ
これらの栄養素をしっかりと摂取することで、血液循環を良くし、目の機能保持や疲労回復に役立ちます。
毎日確実に食べ物から摂取するのも難しいと思われますので、これらの成分の入ったサプリメント等を上手く利用するのもいいと思います。
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まとめ
「眼精疲労は自力で治す!」をテーマに自分でもできる疲れ目の対処法や、アイケア方法について解説してまいりました。より詳しく知りたい方は、別記事にてじっくり解説していますので、是非読んでみてくださいね。
眼精疲労は、何も手につかなくなってしまうほど辛いですよね。当サイトに寄せられた体験談の中にも、眼精疲労が原因で自動車運転中に事故を起こしてしまったり、好きだった仕事を辞めざるをえなくなってしまったりというような、人生を左右するような事態にまで至ってしまったという方もいらっしゃいます。
眼精疲労を甘く見ず、できれば症状の軽いうちに自分で目をしっかりと労ってあげましょう。そして、日々の生活習慣を見直し、栄養をしっかりと摂るなど、眼精疲労になりにくい身体を作ることが根本的な解決法になります。
ただ、大切なのは、こちらで紹介している方法は、あくまで個人でも手軽に出来る範囲での対処法ということです。
すでに重度の眼精疲労になってしまっている場合はもちろんのこと、まだ軽い疲れ目の症状だったとしても、病院に行けば設備が整っており、医師の指示の下で適切な処置を受けることが出来ます。
中でも、眼精疲労やドライアイを専門的に扱っている治療院への診察をおすすめします。通常は、眼科というと主に眼の病気の治療を中心としています。ですので、眼精疲労を専門的にきちんと扱っているところはまだまだ少ないのが現状です。
しかし、眼精疲労治療を得意としている治療院だと、扱っている症例数も違いますし、その対処のノウハウもしっかりとしています。是非、眼精疲労の治療には専門の治療院を一度訪れてみてくださいね。
私の記事が、眼精疲労やドライアイに悩んでいる方にとって少しでもお力になれたら嬉しいです。