疲れ目お悩み研究室

眼精疲労・ドライアイ・老眼など、目に関する悩みを解決していきます

【眼精疲労や疲れ目の回復に】アスタキサンチンの効果に大注目!

アスタキサンチンとは

アスタキサンチンとは、カロテノイドと言われる天然の色素の一種で、サケやエビ・カニ等に多く含まれている赤やオレンジ色の色素です。

このカロテノイドの仲間は、600種類以上あり、ニンジンやカボチャに含まれるβ-カロテン(ベータカロチン)や、トマトに含まれるリコペン(リコピン)等もカロチノイドの仲間です。

アスタキサンチンは、眼精疲労やスキンケアなどに近年注目度が急上昇している成分です。こちらの記事では、このアスタキサンチンについて詳しく解説していきます。

アスタキサンチンのスゴイ特徴

非常に強い抗酸化作用

アスタキサンチンの特徴は、何と言っても非常に高い抗酸化作用にあります。

抗酸化作用とは、体を酸化(サビ)させる活性酸素から細胞を守る力のことで、その抗酸化力は、βカロテンの約5倍、ビタミンEの1000倍、ビタミンCの6000倍にもなり、非常に高い抗酸化力を持つルテインと比べても3倍近くにもなるスーパーカロテノイドとして、近年注目が高まっている成分です。

アスタキサンチンは『血液網膜関門』を通過できる

他にも抗酸化作用を持つ栄養素がある中で、なぜアスタキサンチンが良いのか…それは、血液網膜関門を通過できる特徴を持った数少ない成分である点です。

目は非常に繊細な器官であるため、目の網膜に行く血液は、血液網膜関門という関所のような場所で、通過して良いものと悪いものに振り分けられています。

この血液網膜関門は、抗酸化作用を持つβカロテンやビタミンEも通してくれないのです。これではせっかくの抗酸化作用も、網膜における活性酸素の発生を抑えることが出来ません…

ところが、アスタキサンチンは血液網膜関門を通過することができるため、網膜に直接作用して、紫外線やブルーライトによって発生した活性酸素と戦うことができるのが大きなメリットになっています。

アスタキサンチンは細胞全体を保護する

通常の成分は、その構造上、細胞の中か外にしか存在出来ません。しかし、アスタキサンチンは細胞の内外に貫通して作用することができる珍しい構造であるため、細胞内外をしっかりとカバーすることができるんです。

アスタキサンチンはプロオキシダントになりにくい

強い抗酸化作用は、時として逆の酸化作用に転ずることがあります。この酸化作用に転じた成分をプロオキシダントといいます。

せっかく摂取しても、プロオキシダントになってしまったのでは意味がありません。アスタキサンチンは、このプロオキシダントになりにくいため、安心して摂取できますね。

体を酸化させる“活性酸素”について

活性酸素は、食事や呼吸で取り入れた栄養素と酸素の一部が変化して発生します。

この活性酸素は、通常では体外から侵入した病原菌などを排除するために働いているのですが、過剰に生成されると体内を攻撃しだします。

活性酸素は、外部環境からの身体的・精神的な負担がかかった時に発生しやすくなります。

■活性酸素が発生する環境要因

・紫外線
・排気ガス
・タバコの煙
・ストレス
・食品添加物
・化学物質
・負荷の大きい運動
など

通常はこの活性酸素を無毒化する作用が働いているので問題ないのですが、大量に発生すると対応できなくなってしまいます。

活性酸素と眼精疲労の関係

眼精疲労となる原因に、この活性酸素によるものがあります。太陽の紫外線や、パソコンやスマホの画面から発するブルーライトなどで、目の奥にある網膜には活性酸素が発生しています。

この活性酸素が目の細胞を攻撃して、疲労視力の低下や眼精疲労を引き起こす原因になっています。また、目の中で発生した活性酸素は、加齢性黄斑変性症白内障を引き起こす原因にもなります。

また、スマートフォンやパソコンの使いすぎが原因で起こる若年性老眼(スマホ老眼)などのVDT症候群や、目の老化現象である老眼にも活性酸素が関係しています。

このように、活性酸素が引き起こす様々な目や身体のトラブルを防ぐためには、積極的に抗酸化作用の高い成分を取り入れることが大切になってきます。

アスタキサンチンとサケの一生

そこで活躍してくれるのがアスタキサンチンです。アスタキサンチンが多く含まれている代表的な食べ物に鮭がありますが、サケの身は鮮やかな赤やオレンジ色をしていますよね。これは、アスタキサンチンによるものなんです。

ちなみに、鮭は元々白身の魚だってことをご存知ですか?サケが、その身を真っ赤に染めるほどアスタキサンチンを大量に蓄えている理由は、過酷な自然環境の中で種の生き残りをかけた知恵でもあるんです。

しかし、サケは体内でアスタキサンチンを生成できるわけではありません。このアスタキサンチンは、食物連鎖によって取り込まれます。

アスタキサンチンを生成できるのは、ヘマトコッカス藻など植物性プランクトンの一部です。ヘマトコッカス藻は、通常は緑色をした緑藻類ですが、紫外線にさらされるとアスタキサンチンを体内で生成して身を守ります。元々は、紫外線から身を守るために作られた成分なんですね。

それをオキアミなどの甲殻類が取り込み、さらに、それを食べたサケの体内に蓄積されていきます。

サケがアスタキサンチンを体内に溜め込むのは、産卵のために川を遡上するという過酷な試練を乗り越えるためです。

遡上するためにアスタキサンチンはどんどん消費されていくので、産卵場所にたどり着く頃には、サケの身のアスタキサンチンはすっかり抜け落ち、元の白身に戻ってしまいます。そして最後は、生まれてくる次の世代のために卵(つまりイクラ)にアスタキサンチンを引き継ぎます。

イクラにもアスタキサンチンが多く含まれているのは、水深の浅い上流域で産卵された卵たちを紫外線から保護するために、親が命がけで託していったものなんですね。

    • さて、このアスタキサンチンが生まれた由来と、サケの一生のお話からも、アスタキサンチンが過酷な環境を生き抜く上でとても大きな役割を持っていることがわかるかと思います。では、私達の目においてはどのような効果があるのでしょうか?

アスタキサンチンの目への効果

非常に強い抗酸化作用がもたらす効果

アスタキサンチンの持つ非常に強い抗酸化作用と、血液網膜関門を通過できるという特徴により、目の奥の網膜黄斑部での活性酸素の発生を抑制したり除去をするために活躍します。

このため、活性酸素がもたらす目の老化を抑制し、加齢性黄斑変性症や白内障などの眼病を予防する働きを持ちます。

目のピント調節機能改善

アスタキサンチンは、目のピント調節機能を改善します。富山医科薬科大学眼科によって試験が行われ、アスタキサンチン5mgを1ヶ月摂取したところ、ピント調節力が改善したという試験結果があります。

ピント調節をするための筋肉『毛様体筋』の負担を軽減することができるため、眼精疲労の緩和ができるんですね。そのため、眼精疲労に由来する肩凝りや、目の奥の痛みなどの代表的な症状にも効果的です。

美肌効果も!?アスタキサンチンの様々な効果

アスタキサンチンの効果は、目だけではありません。その強い抗酸化作用により、活性酸素によってもたらされる様々な病気から身体を守るだけでなく、女性にとって何よりもうれしい美肌効果もあるんです。

1.美肌効果

アスタキサンチンは、活性酸素によるメラニンの生成を防いでくれます。また、コラーゲンの変化を防ぎ、お肌の保水効果にも役立つので、お肌の弾力を保ってシワや肌のみずみずしさを保ってくれるという、なんとも嬉しい効果があるんです。

特に、一重項酸素に抗う力が強いのも注目すべき点です。一重項酸素とは、活性酸素の一種で、肌にに紫外線が当たった時にできる活性酸素のことで、皮膚がんの原因としても知られています。

体内には、通常でもこの一重項酸素を無害化する力は備わっていないので、一重項酸素に抗うには、その成分を外部から摂り入れる必要があります。アスタキサンチンによる一重項酸素に対する抗酸化力はズバ抜けていて、抗酸化力がある成分として代表的なコエンザイムQ10の800倍にもなるパワーを持っているんです。

2.生活習慣病や老化に抗う

活性酸素は、様々な生活習慣病も引き起こす原因になります。アスタキサンチンのもつ抗酸化作用で、活性酸素による悪玉コレステロールの酸化で起こる動脈硬化糖尿病を予防し、がん老化を防ぎます。生活習慣病を予防する体質作りをし、身体を守りましょう

3.自律神経のバランスを調える

アスタキサンチンは自律神経のバランスを整える働きもあります。血液網膜関門だけでなく、脳の関所である血液脳関門を通過できるため、自律神経をはじめとする脳の神経細胞だけでなく、脳細胞を活性酸素から保護する事により、認知症予防効果にも期待されています。

自律神経に直接作用できるということは、交感神経の働きを沈め、副交感神経優位に転換させやすくすることが出来ます。副交感神経によってる司られている涙を出す働きを高め、目の細胞の修復を促すため、眼精疲労やドライアイには自律神経のバランス調整から働きかけてくれるというのもアスタキサンチンのいいところです。

自律神経と眼精疲労にはとても深いつながりがありますので、詳しくはこちらの記事で解説しています→【目の疲れは自律神経の乱れから】眼精疲労と自律神経失調症の関係

アスタキサンチンを摂るには

アスタキサンチンは、一日にどれくらいの量を摂取すればよいのでしょうか?

富山大学の試験結果から、効果が得られた5mg最低限の量とすると、成人の推奨量は6mg以上、効果をより体感しやすくなるのは倍の12mg以上の摂取が必要と言われています。

このアスタキサンチンは、どんな食べ物から摂取できるのでしょうか?

アスタキサンチンが多く含まれている食べ物

桜えび、紅サケ、金目鯛、イクラ、エビ・カニ等の甲殻類

含有量は桜えびがズバ抜けて高く、100gあたり約7mgのアスタキサンチンが含まれています。

しかし、桜えびを100g食べるのは結構な量になります。紅鮭では3mg前後含まれており、一切れがおよそ100gありますから、これだと2~3切れ位で足りそうですが、イクラなんかだと丼で2杯食べなければなりません。

これでは、他の栄養素の過剰摂取にもなりますので、食品から安定的に毎日摂取するのは、よほど意識していても難しいと言わざるを得ないのが実情です。

アスタキサンチンの安定した摂取にはサプリメントが現実的

アスタキサンチンを含む食品には、エビやカニ等の甲殻類が多いため、アレルギーのために摂ることができないという方も多くいらっしゃると思います。

甲殻類など、海産物からのアスタキサンチンの抽出には非常にコストがかかるということもあり、アスタキサンチンのサプリには、ヘマトコッカス藻が原料になっているものが大半です。

ヘマトコッカス藻由来のサプリメントなら、なんといっても藻類ですのでアレルギーの心配もなく、安心して摂取することが出来ますね。

まるで北海道のクマのように、毎日サケばっかり食べるのも辛いと思いますので、やはり現実的なのはサプリメントから補うことでしょうか。。まぁ、「クマみたいに毎日三食サケ食べまくってるよ!」という方には、サプリは飲んでも効果ナシだと思いますけど…(^_^;)

アスタキサンチンの入ったサプリを試してみました→【ピント調節をサポート!話題のサプリ“えんきん”をレビュー】実際に飲んでみました♪

さいごに

アスタキサンチンは、これまでも私達がサケやエビなどの食品の中から摂取していた成分ですが、近年になりその効果が知られてから急激に注目されるようになってきました。

意識して一日に6mg以上の目安量を摂り入れることで、眼精疲労の改善や様々な眼病の予防に効果が期待ができる成分です。

わたくし管理人も、アスタキサンチンを食事から必要量を毎日摂るのは難しいと思い、サプリメントを飲み始めたのですが、気がつくと「そういえば夕方になっても目がショボショボしたり、目の疲れが少ないな」と実感できるようになっていました。

そして、更に嬉しいことは、肌のハリが変わってきたということ!お肌の曲がり角をとうに過ぎた31歳…元々がつらい眼精疲労のためにと購入したサプリでしたが、これは嬉しい副作用です。

身体を錆びさせる活性酸素をしっかりと除去できるようにすることは、体全体の機能を健康に保つために大切なことですね。アスタキサンチンは意識して積極的に摂るようにしていきましょう。

そして、アスタキサンチンと並んで強い抗酸化力を持っている成分として、ルテインも注目されています。抗酸化力だけで比較するとアスタキサンチンより下ですが、作用の仕方が違うので、向いている症状に違いがあります。

別記事にて詳しく解説していますのでそちらもチェックしてみてくださいね

あなたの快適なアイライフに、私の記事が少しでもお役に立てましたら嬉しいです♪

アスタキサンチンとルテインの入ったファンケルのサプリ「えんきん」を試してみました