疲れ目お悩み研究室

眼精疲労・ドライアイ・老眼など、目に関する悩みを解決していきます

【放っておくと危ない!】眼精疲労が引き起こす様々な身体の不調

眼精疲労に伴う目の異常

眼精疲労が引き起こす目の異常には、次のような症状があります

  • 目が痛い
  • ドライアイ(乾性角結膜炎)
  • 視力が低下する
  • まぶしい

このような症状が出る時、目のピント調節のために仕事をし続けている毛様体筋は、疲労から筋肉痛を引き起こし、フリーズ状態になってしまっています。

ドライアイと眼精疲労の関係性

その中でも、特に代表的とも言えるのがドライアイです。

ドライアイは、学問的には「乾性角結膜炎(もしくは乾燥性角結膜炎)」と言い、くだけた言い方をすれば「乾き目」ですね。

ドライアイというと、一般的には涙の量が減少することで目が乾燥状態になるものですが、眼精疲労から引き起こされるドライアイは、起こる時のメカニズムがちょっと違っています。

眼精疲労から起こるドライアイは、瞼の筋肉が疲労することによって硬くなり、マイボーム腺から分泌される脂の量が減少してしまう事が原因です。

マイボーム腺というのは、主涙腺が涙を出すときに一緒に脂を出している器官で、その脂の層が眼球の表面に浮いている涙をコーティングし、蒸発しにくくするために大切な役割を担っています。

そのため、マイボーム腺からの脂の分泌量が減ると、涙が出てもすぐに乾いてしまうことになり、ドライアイが起こるのです。これを、「蒸発亢進型ドライアイ」と言います。

涙は目の潤滑剤で、角膜に栄養を与え保護をする役割を担っている大切なものです。目の表面が乾くと透明度が落ちるため、視界は霞んだりぼやけたりすることになります。

・涙は3層構造


一般的にはあまり知られていない事だと思いますが、実は涙液は3層構造になっているんです。

一番内側にあるのが、涙をためておく役割のムチン層(粘液層)、次に、目に栄養を与えて乾燥を防ぐた役割の涙層(液層)、そして一番外側を覆っているのがマイボーム腺から出た脂層(油層)で、涙の蒸発を防ぐためのものです。

このマイボーム線の状態を保ち、きちんと脂分を出せるようにするには、目の筋肉を柔らかくしておくことが大切です。そうする事により、涙の分泌が良くなり、目をしっかりと保護することが出来るようになるんですね。

※涙についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ→【涙の正体って?】目にとって重要な涙の役割やメカニズムを解説

眼精疲労と自律神経の関係

眼精疲労になると、その不快感から精神的にも大きなストレスになることがあります。そのストレスから、自律神経のバランスに影響を及ぼすようになるのです。

自律神経は、交感神経副交感神経から成り立っており、この二つはどちらかの働きが強くなると片一方は弱くなり、互いにシーソーのような関係で働いています。

涙を出す作用は副交感神経に支配されています。そのため、副交感神経が弱まると涙を出す作用も抑えられることになるので、結果、目が乾きドライアイになるという図式が生まれます。

眼精疲労は目以外にも不調をきたす

眼精疲労と言うのは、長時間の視作業により目のピント調節をするための筋肉(主に毛様体筋)が疲労してこわばり、主に目に痛み等が出る症状が慢性化した状態です。

しかし、この眼精疲労の症状というのは目だけではなく、様々な形で全身にまで影響が出てきます。

こういった目以外の場所に影響が出るというのは、正確な理由は解明されていない部分も多いようですが、実際に眼精疲労を患うと必ずと言ってもいいほど伴って現れる症状があります。

1.肩や首、背中のコリ

中でも、特に代表的な症状はこの肩こりでしょう。この肩(および首や背中)のコリは、おそらく眼精疲労になった多くの方が同時に苦しめられるものでしょう。

大半の原因というのは、眼精疲労になった原因でもある視作業時の姿勢にあると思います。

前回、眼精疲労が起こるメカニズムを紹介した記事にもあるように、筋肉は同じポジションでホールドされ続けると大変な負担がかかります。

視作業時は、無意識に作業に集中して同じ体勢をとっている事が多く、首や肩への負担も知らず知らずのうちに溜まっていきます。

また、先ほどお話した自律神経にも関係しており、ストレスによりこの自律神経が乱れ、交感神経優位になることで、血行不良を引き起こし、肩こりにつながっていると考えられます。

2.頭痛

この頭痛も代表的な症状でしょう。眼精疲労になると、目の奥にジーンとした重い痛みが現れることがあります。この症状に悩まされる方も多いのでは無いでしょうか?

私も、この頭痛には悩まされています。通常の頭痛とは違い、ズーンと重く長く続き、しまいには頭をキューッと締め付けられるようなこの頭痛は、始まってしまうと何も手につかなくなり、薬を飲んでもあまり効かず、ただひたすら寝て回復を待つしかないという質の悪いものです。

当サイトに寄せられた体験談の中にも、この酷い頭痛で不安になりMRI検査までしたという方も何名かいらっしゃいました(かくいう私もその一人だったりします)。

診察の結果は眼精疲労だったという話からも、「眼精疲労でよかったね!」と笑っていいものか…いや、笑えないですよね。それほどまでに、眼精疲労の症状は重く辛いというものだという事を物語っていると思います。

頭痛にはいくつかのタイプが有りますが、眼精疲労が原因で起こる頭痛には、主に下の二つがあります。

・緊張型頭痛

頭が締め付けられるような重い痛みが出るのが特徴で、身体的及び精神的ストレスにより首周りの筋肉が過剰に緊張することにより起こります

先ほどお話した肩こりとも密接な関係にあり、倦怠感やめまいまで伴うこともあります。眼精疲労に由来する頭痛の多くが、この緊張型頭痛だと考えられます。

・偏頭痛(片頭痛)

緊張型頭痛がストレスによる緊張から起こるのに対し、この偏頭痛(片頭痛とも表記されます)は緊張から開放されることにより起こります

主に頭の片側に現れ(両側に及ぶこともあります)、こめかみ周辺が「ズキンズキン」と脈打つように痛み、よく「頭がガンガンする」とも例えられますが、吐き気まで伴う酷い痛みが三日ほど続くこともあります。

3.不眠


先にお話した頭痛や肩こりに伴い、酷くなると倦怠感吐き気めまいまで現れることがあります。

こういった不定愁訴が続くと、その不快感から眠れなくなるという事もよくある話です。

不眠の原因をさらに辿って行くと、眼精疲労になる原因の多くでもあるパソコンやスマホを使った視作業にあると思います。

こういった機器のモニターからはブルーライトが出ており、これにより睡眠障害を引き起こすと言われています。

しかし、ブルーライトは元々自然界にも存在している光であり、それ自体が人体にとって有害な物であるとは言い切れません。

ただ、眼精疲労になる程までにモニターを見続けていた場合は、話は別です。できれば、長時間のモニターを用いた視作業をする場合は、ブルーライトをカットするメガネやフィルムなどを使うようにしたほうが良いでしょう。

4.うつ


このような、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感などの不定愁訴が続くとどうなっていくか…やはりうつの症状に行き着くことになります。

「それでも仕事はしなくてはならない」といった、自分に対する過度のプレッシャーも良くありません。

当サイトに寄せられた体験談にも、「眼精疲労が悪化して仕事ができなくなり、退職せざるを得なくなった」という声もありました。

ただ目が疲れているとか、目が痛いというだけでも作業効率はガクンと落ちるかと思いますが、それをおしても仕事をせざるを得ないような状況を続けていると、やがて更に体調を崩したり、精神の崩壊に追い込まれてしまう事になりかねません。

☑まとめ

眼精疲労の症状には、目だけにとどまること無く、全身に及び様々な症状が出ることがわかるかと思います。

その多くは、眼精疲労から発展するものだったり、また、眼精疲労になるような状況で同時多発的に起こる場合もあり、これらは密接な関係にあるのです。

「眼精疲労で鬱だなんて、そんな大げさな(笑)」と思われる方もいるかもしれませんが、眼の疲れから発した症状と、進行する経緯から考えていくと、容易に想像がつくかと思います。

目が疲れたり痛んだりの初期症状を放っておくと、視力も低下して作業効率は下がる一方です。そして、更に肩こりや頭痛等も引き起こし、その不快感によるストレスから吐き気までもようしたり、不眠にまで発展していきます。

こうなると、仕事ができない人のレッテルを貼られ、首になったり減給されたり…人生を左右する程の事態にまで発展するのが眼精疲労の恐ろしいところです

「たかが眼精疲労」などと侮ってはいけません。いくら忙しくても、無理をせず適度に休憩をとるなどの対策を取りながら仕事をするようにしたほうが、かえって効率が良いのです

くれぐれも、眼精疲労を甘く見ないようにしましょう!