【危険!かすみ目での運転】過酷なタクシー乗務で事故に遭った話
私は現在60代の男性です。これは、私がタクシー運転手をしていた頃の目にまつわる体験談です。
過酷なタクシー運転手の勤務体系。目にも相当な負担が…
ご存知かもしれませんが、タクシー運転手の仕事は通常朝7時頃から翌日の3時頃まで、約20時間(うち3時間は休息時間)で勤務します。
その間、ほぼずっとハンドルを握りっぱなしで、かつ昼間から夜まで四方八方に気を配ってよく周囲を観察し続け、信号や案内板、道路標識や見込み客の発見に目を酷使しなければなりません。本当に目を使い続ける仕事なのです。
もう55才近くになってきたころ、目の疲れがだいぶひどくなってきて、とうとう朝から仕事をしていて夕方になると、目がかすんできて交差点の表示や道路端の街区表示がかすんで読めなくなってきてしまいました。
これでは運転の安全にも支障をきたしますし、第一あまり経験のない道を走行する際に間違いを起こしやすくなってしまいます。
どうしたものかと苦慮しながら、それでも仕事を怠けるわけにもいかず、いくらか無理をして仕事を続けていたのですが、とうとうある日、事故に巻き込まれてしまいました。
かすみ目を我慢して運転していた結果、事故に巻き込まれる羽目に
その事故は相手方に非があり、私はあまり責任は問われなかったのですが、それ以降運転するのが怖くなってしまい、これはこのまま続けるわけにはいかないと心を籠め、思い切ってそれまで勤めていたタクシー会社を退職しました。
とはいっても、他にすぐできる技能があるわけでもなく年齢も55才でしたから、畢竟タクシー運転手をするしかありません。
ですが、タクシー運転手の業務形態には前述の20時間連続勤務以外に、日勤といって毎日朝から夕方までの勤務ができる会社が少しではありますが存在しています。そこで早速その手の会社の面接を受けて入社しました。
8時間勤務で夜間運転がなければ、目の疲れもそれほどひどくなく、目がかすんで見えづらくなることもありません。夜間勤務の大口顧客を得る機会がなくなり、収入は若干減りましたが、安定した仕事に復帰できて一安心できました。
視力低下で仕事引退を決意。目の負担からも開放され、快適な生活に
ところが60才で定年を迎え、その後嘱託ということで70%出勤の軽い勤務に代わって三年後、今度は急激に視力が落ち眼鏡が合わなくなりました。
あわてて眼科医を訪れると核白内障という目の病気で水晶体の中心部が混濁してきており、急激な視力低下が起こりこれには手術しか対処の方法がないということでした。
いろいろ聞いてみると保険適用でも両目で15万円ほどの手術代が掛るということです。突発的な高額の医療費負担は、正直衝撃でした。
とはいってもこのままにしておくわけにもいかず、とりあえず会社にこの旨を告げてしばらく休職させてもらう事になり、その間に片目づつ2回の手術を受けました。
そして現在は両目の視力も回復して運転用の新しいメガネも作り、ほぼ快適に生活しています。
仕事の方はいろいろと悩んだ末、他の持病も進んできたところからこれを機会に正式に退職して年金生活に入りました。生活は一杯一杯ですが、そこそこの暮らしを満喫しています。
これからの暮らしとしてはまだ余生も長いので、若いころからの夢だった小説でも書いて、懸賞に応募でもしてみようかと、とりとめのないことを夢想している今日この頃です。